一番狂っているのは、誰?

Introduction ―殺戮の国への誘い―

ようこそ、殺戮の国へ――

白兎の真っ赤な足跡を追いかけて、アリスがたどりついたのは救いなき異世界。

生きてこの世界から抜け出したいのなら、女王のゲームに勝てばいい。

ゲームのルールは単純明快。

この世界に生きる者たちを3人殺し、その首に女王に捧げること。

殺す相手は誰でもいい。

どうせ皆もとをたどれば、どこからか迷い込んだ狂える者たちなのだから。


一番狂っているのは、だぁれ?

Outline ―あらすじ―

物語の舞台になる「殺戮の国」は、ここではないどこかにある世界。

ハートの女王の命を受け、白兎が現実世界から誘いこんだ狂人たちが集うこの世界にあるのは殺戮のゲームだけ。

同じように殺戮の国に迷い込んだ狂人の首を3人分刈りとれば、女王への謁見が許され、もとの世界に戻ることを許される。そんな狂気のルールに従う以外に、住人たちに自由を手にする術はない。

望んで来た者などいないはずのこの世界に、ただ1人、異質な少女が迷い込む。

少女――アリスには目的があった。

それは3年前、狂気に駆られアリスの目の前で殺戮の国へと消えた姉、ロリーナを連れ戻すこと。

すすんで自らを狂気に追い込み、狂人にしか見えない白兎の姿をついに目にしたアリスは、迷わずその後を追った。

彼女が出会う殺戮の国の狂人たち――。

繰り返される命賭けの殺し合い――。

はたしてアリスは己が望んだ狂気に呑み込まれることなく、ロリーナを取り戻すことができるのか?